1937年にロシア語版が出版された戦車工学から、戦車砲の威力についての文章を一部書き出してみます(参考文献は1943年の日本語版)。
その前に以前クリスティー博士が書いた本といいましたが、よく読むと編纂者がクリスティーとなっており共著にロシア人が沢山ならんでいるので、実質的に中を書いたのはロシア人かもしれません。
どうもクリスティーサスペンションのクリスティーではなく、同名の別人のようでした。
クリスティーサスペンションの方の人は「ジョン・W・クリスティー」で、この本の人は「エム・カー・クリスチー」となっています。おそらくソ連の研究者でしょう。
戦車の火砲の弾道学的特性を判断するための材料は次の通りだそうです
A口径 B初速度 C砲口エネルギー(砲弾の運動量) D砲弾重量の横断面に対する比(横断面荷重)E射撃速度と射撃命中率
口径を増すと貫徹能力は、口径の2乗に略比例(略比例ってなんだ?)して増加する。
砲口エネルギーは初速の2乗
貫徹能力は砲口におけるエネルギーに比例する
砲弾の飛行中の速度の低下は横断面荷重に逆比例する
空気抵抗とかの複雑な計算式がいろいろのっているけれど。分けがわかりませんでした。ごめんなさい。
それとは別に「発射力」なる値を出す計算式がありました。
どうもこの発射力というのは、砲弾の仕事率(馬力)のようです。
計算式は次の通りです
□□□□□Pvⅲ
N= ────
□□□□36Ldg
P 弾丸の重量(kg)
v 初速度(m/s)
L 口径であらわした砲身長
d 火砲の口径(dm) dm=10cm?
g 重力の加速度
ⅲ 3畳
□はレイアウト調整用のスペース
なんでも・・・
P 0.67
v 820
L 40
d 37(mm)
という37mm対戦車砲の発射力は70800馬力・・・だそうです。
ちなみに100mm砲だと610000馬力。
うーん・・・
ちなみに現代型戦車用火砲の例として、20mmが最初にリストに出るのがなんだかシュールです(笑)
ちなみに前の日記のコメントに書いた2連装の自走砲はこれです。